盛岡タイムス Web News 2017年  6月  24日 (土)

       

■ GAP推進 東京五輪に岩手の幸を 県庁内に連絡会議発足



     
   
   「いわての農業 オリンピアン応援宣言」のスローガンを掲げ、意気込みを示す関係者。スローガンの揮毫は30日まで県庁1階県民室で展示
 

 2020年に開催される東京五輪とパラリンピックへ県産食材の供給を目指す取り組みが始動した。オリンピックの食材供給要件をクリアした産地を広げることで、本県農林水産業全体の持続性や安全性の向上にもつなげていく。23日は、県やJAなどが参加し、農産物供給の前提となる「農業生産工程管理(GAP=ギャップ=)」を推進していくための「いわての農業 オリンピアン応援宣言」の署名式があったほか、県の関係室課による第1回東京オリ・パラ県産農林水産物等利活用促進連絡会議も開かれた。

  「雨ニモマケズ、風ニモマケズ、世界の強豪ニモマケナイ『いわての農業 オリンピアン応援宣言』」と銘打った署名式は盛岡市内で開かれ、県やJA県中央会、JA全農いわて、県農村青年クラブ連絡協議会、県農業法人協会岩手アグリ新世会、県認定農業者組織連絡協議会の関係者らが出席。農業関係者が一丸となってGAPの取り組みを推進し、県産農産物の提供を通してオリンピアン、パラリンピアンの活躍を後押しすることを宣言した。

  長さ3bの横断幕に書道家の県職員がスローガン「目指せ金メダル!オリンピアンの勝負メシはGAPのいわてにお任せあれ!」と揮毫(きごう)。参加団体の代表8人が手形を押して、その意気込みを内外に示した。

  署名に加わった県農村青年クラブ連絡協議会の吉田雄次郎会長(29)は「日本で開催されるオリンピックに何らかの形で関われれば、若手農業者にとってもやる気になる。GAPの認証取得を目指して研さんしていきたい」と話した。

  東京五輪やパラリンピックに供給できる食材は、組織委員会が定めた要件を満たしていることが前提。農産物の場合は、国際標準のグローバルGAP、日本GAP協会が認証する国内版GAPの認証を受けて生産されたもの、もしくは「GAPの共通基盤に関するガイドライン」に準拠したGAPに基づいて生産され、都道府県など公的機関による第三者の確認を受けていることが要件となる。

  2008年から県版GAPを推進してきた本県は、現行の県版GAPを一部改正し、第三者確認を県が実施する体制が整えば、要件を満たす。このため、第三者確認の運用開始に向けた要領の作成や、GAP指導者を養成する研修会などを進め、秋ごろまでには体制を整えたいとしている。

  県内でグローバルGAPを取得しているのは2農場、日本版GAP(ベーシック)を取得しているのは3農場(1農場はグローバルGAPと重複)。国際標準や日本版のGAPは認証取得に費用もかかり、ハードルが高い。まずは精度を高めた県版GAPの普及で、本県農業のレベルアップと魅力発信に取り組む。現行の県版GAPは約6割の産地がクリアしているという。

  県の紺野由夫農林水産部長は「世界各国のアスリートが集うオリンピックに安全安心な岩手の食材を供給し、応援できれば最高。県全体の農林水産業の発展のためにも頑張っていきたい」と語った。

  一方、東京オリ・パラ県産農林水産物等利活用促進連絡会議(座長・照井富也農林水産企画室企画課長)には、農林水産部、文化スポーツ部、商工労働観光部の関係室課から13人が出席。県産農林水産物の利活用促進に向けたスケジュールや取り組み状況を確認した。 東京五輪の組織委員会は来年3月にも大会関係施設における飲食サービスの在り方を示す基本戦略を公表予定。2018年度には食材提供業者が決定され、19年度には提供業者による産地の選定が進むと見込まれる。連絡会議は今後、月1回程度開き、情報の収集、共有を強化。事業者間のマッチング支援や食材利活用に向けた売り込み・PRを展開していく。

  東京五輪に地元食材を供給するための自治体の取り組みは、宮崎県や三重県が既に着手。東北では初の取り組みという。照井座長は「早めに準備しながら県産農林水産物をPRしていきたい。これを契機に海外にも打って出られる体制の強化につながれば」と話した。

■農業生産工程管理(GAP)
  持続的な農業生産に向け、農作業の各工程を正確に実施、記録、点検、評価し、改善活動につなげる取り組み。農産物の安全性や品質、環境保全、労働安全を確保し、生産者の経営改善を図ると同時に、消費者の信頼を得るためにも有効とされる。


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