盛岡タイムス Web News   2017年  9月  23日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 泉山圭 学びの機会はいつでも


  人生の中に学びの機会は無数に転がっている。記者という仕事柄、日々さまざまな取材をする。もちろん知らないことだらけで、取材先で話を聞き、驚き、納得することも多い。過去には、ジャガイモの茎にトマトのような実がなる奇妙な現象を取材し、開花時期の気温で茎に実を付ける場合があると初めて知ったこともあった。

  先日取材した滝沢市姥屋敷地区の楽しく頭を使おう会の集まりで、学びの機会は年齢を問わないと改めて感じた。小規模校の児童生徒が地域で漢字検定を受験できる人数要件を満たそうと、住民も協力して受験するため設けた学習の場。会場には児童生徒、保護者の他、地域の高齢者の姿も多かった。

  講師の先生が黒板に用意してきた小学1、2年生で習う漢字の紙を張り出した。「この漢字の書き順はどう書くんだ」。早速、高齢者から質問が出た。低学年の児童が「僕、書ける」と前に出て、黒板に書き順を書く。残念ながら答えは不正解だったが、祖父と孫ほども年齢の違う参加者が一緒に笑顔を見せた。参加した自治会長は「若い人と一緒に頭を鍛え直したい。孫の世代と一緒に学び刺激がもらえる」と話した。

  郷土資料「滝沢市の歩み」の校正・編集の取材では、難しい郷土資料を誰もが読みやすいようにと懸命に作業する中学生の姿があった。「読めない漢字も多かったけれど、普段分からないことを考え、知る貴重な時間を持てた」。大学生や大学教授から専門用語を教わり、1カ所ずつ辞書を引く地道な作業だったが、学校で学ぶ歴史とは異なる郷土の一面を垣間見て、うれしそうな表情がそこにはあった。

  時に、もっと勉強をしておけば良かったと思う場面は多い。しかし、学問に限らず、新しい知識を広げることはいつでも、誰でも可能。取材相手から、日々それを学ばせてもらっている。   


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