盛岡タイムス Web News   2018年  1月  15日 (月)

       

■  本県初のフェリー航路開設 宮古―室蘭1日1往復 6月22日営業開始 内陸への波及効果期待


     
  宮古市の宮古港藤原ふ頭。写真中央のせり出した部分がフェリーターミナル。 右上は閉伊川(県県土整備部河川課提供、2017年3月撮影)  
  宮古市の宮古港藤原ふ頭。写真中央のせり出した部分がフェリーターミナル。 右上は閉伊川(県県土整備部河川課提供、2017年3月撮影)  

 本県初となるフェリーの定期航路が宮古市と北海道室蘭市間に6月22日、就航する。太平洋上で本県と北海道を結ぶ新たなルート誕生は、物流や観光で新たな好機と期待される。東日本大震災津波からの復興への弾みとして、整備中の三陸道、盛岡市はじめ内陸と結ぶ復興支援道路などとの交通ネットワーク化で相乗効果をいかに発揮させるか。寄港先の宮古港の藤原ふ頭ではフェリーターミナルビルやその周辺の整備も進められている。(大崎真士)

  県港湾課によると、川崎近海汽船(本社・東京)が運航する航路は、宮古発から営業開始。1日1往復で毎日運航。ダイヤは宮古発が午前8時、室蘭発が午後8時。両港間の距離は326`で、所要時間は約10時間。

  使用される船舶「シルバークィーン」は7005d、134b、航海速力20・7ノット。積載能力はトラック(12b)69台、乗用車20台、旅客600人ある。

  運賃(税込み、団体料金あり)は、旅客が一般で特等から2等まで4区分あり、6千円〜1万5千円、小児も同区分で3千円〜7500円。乗用車は3区分で4b未満2万800円、5b以上6b未満3万1200円。手小荷物も重量別に1200〜1600円と設定された。

  貨物車(運転者1人分2等運賃含む)は6区分で6b以上7b未満が4万700円、11b以上12b未満が6万9700円などで、1b増すごとに5800円が加算される。燃料油価格調整金も別途徴収される。

  自転車は2600円、オートバイは125CC以下5200円、125CC超750CC未満7300円、750CC以上9400円。

  航路開設に伴い、本県沿岸と室蘭市のある胆振地域の連携推進に関する協定が2017年6月に締結された。観光や交流、産業振興に関する連携、それに伴う両地域の活性化が狙い。

  フェリーターミナルビルは現在、現地で基礎工事が進められている。ビル本体は今年度内の工事完了が見込まれている。

  構造は鉄骨造り3階建て、建築面積約850平方b、延べ床面積約2160平方b。機能は1階がエントランスと管理事務スペース、2階が受付カウンター、売店や軽食の営業を含む待合スペース、乗降口。3階が見送り・団体待合スペース。屋上は津波避難スペース。

  当初契約金額は税込みでビル本体で5億5188万円。これに機械設備や電気設備、2階乗降口とフェリーを接続する人道橋の各工事を合わせると、8億9748万円。他に駐車場も設けられ、照明も設置される。

  ビルは大規模地震に伴う津波襲来から逃げ遅れた人の緊急避難先として「津波避難ビル」の機能もある。

  航路開設によって期待される効果としては、荷主企業・運送事業者にとって北海道との貨物輸送ルートの選択肢が増え、輸送コスト削減による競争力向上や取り引き拡大が見込まれる。物流関連産業はじめ製造業や観光産業等の活性化の側面もある。

  このため県内や近隣の企業・業者を対象に実施したアンケート調査の結果を踏まえ、ポートセールスも行われている。両港の周辺には豊富な観光資源があり、航路を利用した旅行の魅力についてPRも図られている。

  港湾課の照井巧総括課長は「現在は6月22日の就航へ向けて支障のないよう、ターミナルビル整備を含め準備を進めたい。就航すれば沿岸の復興が進む。内陸にも来てもらうことで物流を含め波及効果を全県に広げていきたい。就航前と就航してからと連続して取り組みたい」と述べ、効果に期待を寄せた。

  盛岡市の谷藤裕明市長は盛岡タイムスの取材に対し「北海道と本州との間の海上輸送ルートが加わることになり、物流における輸送コストの削減や観光などの交流人口の拡大が見込まれることから、内陸部の盛岡広域圏においても大きな経済効果があるものと期待している」とのコメントを出した。


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