盛岡タイムス Web News   2018年   8月  21日 (火)

       

■  小規模事業者中小企業 強み生かして大きく稼ごう 経営改善の実績増やす 県よろず支援拠点(いわて産業振興セン)


     
  経営、デザイン、金融の専門家が事業者の相談に応じる様子  
  経営、デザイン、金融の専門家が事業者の相談に応じる様子
 

 盛岡市北飯岡のいわて産業振興センターを実施機関とする、中小企業庁管轄の無料経営相談所「岩手県よろず支援拠点」が6月で、活動5年目を迎えた。売上拡大、経営改善、事業承継など、小規模事業者・中小企業が抱える課題の相談を、現役の経営者や専門家らで多面的に支援。年間約2千件の相談を受け、これまで約650社の課題を解決に導いた。その支援内容は全国的に高く評価され、来年度以降の活動も期待されている。

  国の小規模企業振興支援法の下、2014年6月に同庁が各都道府県に1カ所ずつ設置した拠点。岩手は、開設から16年度までに5113人が相談に訪れ、北海道・東北地区ではトップの実績。リピート率は1人2・5〜3回と全国3位となっている。稼働率(相談件数÷予算)も極めて高く、全国3位の数値。

  支援先や内容は拠点ごとに異なり、岩手は既存の経営支援団体の支援が行き届きにくい、小規模事業者をメーンターゲットに活動してきた。「小さな会社の『稼ぐ力』を大きくします」を共通ワードに、民間のノウハウを持って確実な利益につなげることを目指してきた。現場の最前線に立っている有望な専門家を集め、今の市場に対応する有力なノウハウを供与。経営や財務、金融、商品開発、ブランディング、雇用・労務などの専門家13人で多面的な支援を続けている。地銀や信金、自治体などとも連携し、合同相談会などから支援の輪を広げている。

  支援の共通項は「平均点では戦えない。弱点補強ではなく、既存の強みを生かすこと」。各事業者が顧客から選ばれている点を抽出して強化する支援を定め、多数の経営改善、利益拡大を実現している。

  盛岡市の吉田建設(従業員15人)は、学生の下宿が多いパンションの入居率を上げるため、築年数が長い建物を改修するか、相談に来た。そこでコピー機の無料利用や、宅配物・クリーニングの受け取り代行といった入居者に喜ばれているサービスを洗い出し、ホームページなどでの発信を提案。60%だった入居率が100%近くとなったという。

  久慈市のぼこたん(従業員3人)は、ライターで簡単に火がつき、火花や煙のない炭「ぼこたん」の販売不振を相談。特許取得したものの固定費がまかなえず、廃業の危機となっていた。既存顧客の中から、競合が少なく安定した納品ができる茶道教室に顧客を絞ることを勧め、効果的なダイレクトメールを助言。26者の新規顧客を獲得し、売り上げは5倍となった。

  星野剛チーフコーディネーターは「世の中の変化に対応しながら挑戦しようとする小規模事業者はたくさんいる。商工団体など外部機関との連携を広げ、そうした事業者の潜在的な強みを伸ばしていきたい。それが地域の経済力の強化につながる」と話している。

  小規模事業者とは、商業・サービス業が従業員5人以下、製造業その他が20人以下の会社を指す。


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