盛岡タイムス Web News   2018年   8月  26日 (日)

       

■ 床下浸水泥出し習得 いわて連携復興セン 板はがしのコツを実技 行政、社協ら50人参加


     
  部材を傷付けない床板はがしに挑戦する参加者  
  部材を傷付けない床板はがしに挑戦する参加者
 

 大雨災害で床下浸水した家屋の泥出しに必要な床板はがしなどの知識や技術を習得する研修が25日、雫石町千刈田の町総合福祉センターで開かれた。NPO法人いわて連携復興センターが初めて企画。2013年に県内で起きた大雨被害や16年の台風10号の経験から、全国的にも専門性の高い技術系ボランティアのニーズが高まっている。西日本豪雨で現在技術系ボランティアが多数出動する中、本県で今すぐ発生した場合に県内の力で対応することも想定し、参加者が理解を深めた。

  盛岡市や矢巾町の自治体、県・市町社会福祉協議会、支援団体の関係者、ボランティアら50人が参加。座学と実技を通じて学んだ。

  雫石町社協では13年豪雨災害の経験から、いち早く独自で床板はがしの実技研修を開いていた。当時講師に迎えた技術系ボランティア集団「風組関東」(小林直樹代表)から庄子俊英さんら2人が指導。小林代表は西日本豪雨被災地の岡山県倉敷市真備におり、現地と結んでライブ中継により座学で講義。現状なども紹介した。

  実技ではフローリングと和室それぞれの床が再現された。参加者が釘抜きなど工具を使って板をはがしたり、はがした場所から床下へ入り込んだりする作業を体験した。

  支援金で復旧費用を全額賄えないため、それぞれの部材を傷めず再利用するため、丁寧に床板をはがす必要がある。

  庄子さんらは力任せにはがせば板が割れてしまうと指摘。腕力のない女性でもバールなどを使って作業できると助言した。板の特性に応じた釘抜きも実演。抜いた釘を捨てると、床下掃除をする人がけがをすること、板をはがした後で下にあるグラスウールに足を載せて負傷する人がいることも紹介した。

  実際に床に潜り込んでもらい、どこまで体を動かせるか参加者に体験してもらった。

  参加した、もりおか復興支援センター相談員の外柳万里さん(31)は「うまく力を利用すれば床板をはがすことができた。岩泉町で泥出しボランティアをしたが、相手の家を傷付けずにできるか、何度か練習が必要だと思った。床下に潜って作業する場合にヘルメットなどの装備が必要だと分かった」と理解を深めていた。

  いわて連携復興センター地域コーディネーターの大向昌彦さん(防災士)は「次の災害に行政や社協、NPO、住民がどう備えるか。大阪北部地震や西日本豪雨で技術系ボランティアが西日本に集中し、今東北で発生した場合、自ら対応する必要がある。回数を重ね、応用して専門性を磨きながら、多くの人に経験してもらいたい」と話していた。

  研修を通じ、発災前に関係者間の信頼関係を築く意義も説く。


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