盛岡タイムス Web News   2018年   9月  8日 (土)

       

■  〈体感思観〉 編集局 相原礼以奈 解さなくていい


 8月に、第42回全国高校総合文化祭(信州総文祭2018)写真部門で優秀賞を受けた早坂真心さん(盛岡商高3年)と奨励賞を受けた岩角萌々花さん(同2年)を取材した。受賞作に込めた思い、二人が感じる写真表現の楽しみについて聞くことができた。長野県松本市内を巡った撮影会の話では、早坂さんが松本市美術館、岩門さんが旧制高校を印象的だったと挙げてくれた。

  写真の楽しみを伺う中で、早坂さんの「見ていてよく分からない写真も見たりする。そこから自分で感じて、(撮影者の)伝えたいことをくみ取りながら見るのが好き」という話があった。記者として分野を問わず芸術活動を取材する中でも、初見で十分には理解できない表現に出合うことも多々ある。自分なりに感じて楽しむ大切さを、改めて教えてもらった。

  「芸術は分からない、解さない」という言葉はよく聞く。けれど、別に解さなくてもいいと思う。芸術作品があって自分がいるのではなく、見る自分がいて芸術作品がある。芸術を解さないことは特別なことではない。

  「分からない」を声高に言うより、自分のアンテナが自然に向いたものを好きな方法で味わえた方が楽しいはず。本格的な芸術の秋の深まりを前に、改めてそう感じている。

  芸術との向き合い方を考えていると、人との向き合い方にもつながると思えてくる。解さないという思いが強いと苦手意識も強くなる。別角度から見たり、引いて見たり、まぁ別に解さなきゃいけないこともあるまいと考えながら見たりすると、案外、楽になるかもしれない。

  「よく分からない」をしなやかな見方で楽しむ姿勢は、先入観のない、かつ能動的な生き方につながるように思う。


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