盛岡タイムス Web News   2018年   10月  12日 (金)

       

■  公表の中間案に疑問、注文 次期県総計 地域説明会始まる 幸福や政策分野めぐり 具体性を求める声も


     
   21日まで県内11地区で開かれる地域説明会(写真は9日に開かれた盛岡地区合庁)  
   21日まで県内11地区で開かれる地域説明会(写真は9日に開かれた盛岡地区合庁)
 

 県が年度内に策定を目指す次期総合計画(2019〜28年度)の長期ビジョン中間案、ビジョンの実現を図る政策や推進方策を盛り込んだ第1期アクションプラン(AP、19〜22年度)の仮称政策プラン素案を先月、公表した。開会中の県議会では導入される「幸福度」やそれに基づく政策分野などをめぐって、意見や注文が相次いでいる。こうした中、9日から県内11地区対象の地域説明会が始まった。

 ■政策分野に「参画」

  長期ビジョンについて、6月に公表された素案では、第5章・政策推進の基本方向として「九つの政策分野」が示されていた。

  「岩手の幸福に関する指標」研究会から示された主観的幸福感に関する12領域を基に、「健康・余暇」、「家族・子育て」、「仕事・収入」など8分野で区分。各分野の共通的土台として「社会基盤」を加えて設定された。

  9月公表の中間案になると、社会基盤に含まれていた「参画」が独立。8分野に社会基盤と参画を加えた、政策体系に整理された。

  また、第6章・新しい時代を切り拓く重要構想(プロジェクト)では中間案に11のプロジェクトが列挙された。素案段階では10年後の将来像実現のため、考え方や重視する視点として@長期的視点A創造性B岩手らしさC関連性D多様な主体との連携―を掲げるのにとどまっていた。

  想定されていたのは国際リニアコライダー(ILC)や第4次産業革命によるイノベーション(革新)など先駆的な取り組みなどだった。

  中間案で示されたのは▽ILC▽北上川バレー▽三陸防災復興ゾーン▽県北プラチナゾーン▽学びの改革▽水素利活用推進▽健幸(けんこう)づくり▽農林水産業高度化推進▽活力ある小集落実現▽文化スポーツレガシー(遺産)▽人交(じんこう)密度向上―の11プロジェクト。

  北上川バレーは流域の県央から県南まで、ものづくり産業エリアで、第4次産業革命に対応している。三陸防災復興ゾーンは19年開催の三陸防災復興プロジェクトを一過性にせず、復興のその先を見据えた発展につなげる狙いがある。

  県北プラチナゾーンは沿岸や北上川流域に対応した、県北の振興を図るのが目的。これら三つのゾーンで地域としては県全体をカバーしている。

  ■具体性に注文

  これまでの県議会のやりとりでは、県民それぞれ異なる「幸福」について行政がどこまで踏み込めるか、指摘があった。産業振興や経済の分野が「仕事・収入」に盛り込まれ、現在のいわて県民計画との整合性を問う声なども挙がっている。

  県は中間案と素案公表後、22日の期限で県民から意見を受け付けている。これに伴い9日を皮切りに、21日まで県内11地区で説明会を開く予定。

  9日は盛岡市内で開かれた。県は中間案とその中の県央広域振興圏の位置付け、AP素案の説明に約1時間を割き、その後質疑を受け付けた。市町村や議員、福祉やNPO団体、一般市民ら約40人が参加した。素案公表時の7月の説明会に参加したり、事前に内容に目を通したりした参加者も多かった。

  中間案で新たに登場した「参画」や家族・子育て分野で合計特殊出生率の引き上げ方策などについて3人が質問した。県はそれぞれについて、中間案に記載部分を示して説明した。必死に答える一方、ふに落ちない表情を浮かべる参加者もいた。

  紫波町の根水康博町議は終了後「やるべきことは示されたが、具体性がもう少しほしい。子育てや未婚率の高さなど、みんな課題が何かは分かっているのに、明快な答えがなかったと感じる。どうやって時代に対応していくか工夫して示してほしい」と話した。

  県政策地域部政策推進室の本多牧人重要構想策定特命課長は「建設的意見を頂けた」と話しながら、今後各種指標や工程表を示すことにより、県民の理解が進むことに期待した。

  長期ビジョンは11月に総計審へ最終答申される予定。
(大崎真士)


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