2014年 2月の天窓


 2014年  2月  28日 ―建設現場の人手不足と復興―
 本県のみならず、全国的に建設現場の人手不足が深刻になっている。復興関連や公共事業などで建設需要が増加しているため一層深刻度が増した。それに加えて、就業者が減少傾向にあるため、人手不足も要因に「入札不調」に至る場面が出ている。
▼総務省の労働力調査によると、鉄筋工、型枠工やとび職などの建設技能者は2013年平均で338万人といわれている。ピークは1997年であったが、そのころに比べて20%超も減った。バブル後の建設不況などのため、建設会社がリストラを進め、経験者が離職したことによる。近年は技能者になろうとする若者が減ってきている。大学や高校の実業科目の在り方にも課題があろう。
▼そのため、技能者に支払う日給も上向いている。日給が前年比で10%超上昇し、東日本大震災津波の被災地では20―30%も上昇しているところが出ている。
▼それに円安などで資材の値上がりが加わり、建設コストが上昇している。自治体の発注工事で採算割れを恐れて入札への参加をためらう建設会社が出たり、入札不調に直面している。工期に間に合わなくなることや、計画の変更が生じているのが実態で、今後の復興には大きな障害となっている。発注が来ても受けられずといった現実に打つ手無しといった状態が生じている。

 2014年  2月  27日 ―ライバル救うソチ逸話―
 ある人から受けた恩を別の誰かに返す善意の行為を「恩送り」という。井上ひさしさんが生前、一関の作文教室で江戸以来の慣習として紹介。著書にも収録され普及した言葉である
▼ソチ五輪でもそれを地で行く逸話が生まれている。クロスカントリー男子スプリント準決勝で力走中にロシアのガファロフ選手が転倒。痛みをこらえ立ち上がるがうまく進まない。左足スキー板が折れていたのだ。右板だけで進むがまた転倒。絶望状態に陥る
▼そこへライバル国カナダのワズワースコーチがスキー板を持って駆け寄る。折れた板を脱がせ持参の板を履かせた。ガ選手は再び立ち上がり滑走しゴール。3分遅れの最下位だが彼を大歓声が包む。窮地を救ったコーチもかつては妻とともに五輪選手
▼8年前のトリノ冬季では妻が2人一組のチームスプリントにカナダ代表で出場。その決勝戦で滑走中に妻と組む選手のストック(つえ)が折れてしまう。その時、飛び出して代替ストックを手渡したのは、ライバル国ノルウェーのコーチだ
▼瞬時手渡しの離れ業に救われ妻たちのカナダチームは棄権を免れ銀メダルを確保。助けたコーチが率いるノルウェーは4位。だが観衆は敵対を越えた行為の気高さに打たれ大歓声で称賛した
▼ソチのカナダコーチは8年前の恩送りをしたのだろう。

 2014年  2月  26日 ―消費税率アップの影響と対策―
 消費税値上げの通知が企業などから届いている。4月1日から現行5%が8%に引き上げられることで駆け込み需要が現れているのだろうか。マイカーや住宅などの高額商品は年度末に売り上げを大きく伸ばすのではないか。しかし、その反動で4月に入ってからの落ち込みが懸念されるところでもあろう。
▼消費税は国民に等しく広く課税される。全ての人に一律に課税されるため、高額所得者の負担率は小さいかもしれないが、生活必需品の割合やエンゲル係数が高い低所得者の側からは影響を大きく受けることになろう。
▼法人税減税、社会保険料の企業負担軽減、軽減税率の適用などについて検討がなされているところだが、まずは平均的に3%の税負担が増すことになる。
▼政府としては税収を高めることによって国の財政を充実させることにあるが、国税庁の発表によると2012年度末の租税滞納が1兆2702億円もあるとか。ピークの1998年度は2兆8千億円超もあったと報告されている。このうち滞納額の31%が消費税で、中小企業が税負担に苦しんでいる。
▼課税額を重くしても国民の滞納額が増加していくようでは問題である。消費活動が鈍化し、中小企業の経営の悪化を招くようであってはならない。その対策も併せて進めなければならない。

 2014年  2月  25日 ―ソチ冬季五輪が閉幕―
 ソチ冬季五輪が閉幕。まずは県人選手の健闘に拍手を送りたい
▼カーリング女子日本は5位入賞。二戸出身の苫米地美智子選手も的確なショットなどで貢献。八幡平市出身の永井秀昭選手は、複合団体で前半6位の日本を後半第一走者として5位に押し上げ、5位入賞を決めている
▼日本勢のメダルは金1、銀4、銅3の8個。15歳〜41歳のメダル獲得選手の奮闘をたたえつつ、それを逸した幾人もの顔が浮かぶ
▼金有力とされた17歳の高梨沙羅選手もその一人。いつもの滑りができず4位。でも上位選手に手を差し伸べ祝っている。インタビューでは悔し涙を拭い「五輪にもう一度戻ってくるため、レベルアップしていく」と、既に次を見詰めている
▼モーグルの上村愛子選手は18歳で挑んだ98年長野は7位。以来連続出場し6位5位4位と前回までは順位を上げてきたが今回も4位。壁の厚さに「はい、分かりましたという感じ」と笑う。引退を決めていたせいか潔さが心に染みる
▼メダルを超えたところにも勝利者がいることを教えてくれたのは浅田真央選手だ。フィギュアショートで暗転した前夜の闇を晴らした精神力はフリーで開花。8度の高難度ジャンプも完璧に演じ自己最高点を記録する
▼6位だったが、一挙手一投足には集大成の勝利感が脈動していたのである。

 2014年  2月  24日 ―冬の備え―
 15日から16日にかけて何十年ぶりかの大雪と強風に見舞われ、東北の太平洋側など各地で交通が遮断されて、日常生活に大きな影響を及ぼした。近年、これまで経験がないような降雨雪に見舞われているが、今後もこういった異常気象が起きることを覚悟して、さまざまな自衛手段を講じておかなければならない。
▼東日本大震災津波の復興事業が最盛期に入っているところに、再び気象災害に見舞われては一層対応が難しくなってしまう。太平洋側を北上する南岸低気圧が原因で、春先によく雪を降らせる気象条件だったが、今年は異常な風雨雪が広範囲に、しかも大量であったために、停電や交通機関が完全にまひしてしまった。
▼近年は、特別な年を除いて降雪量がめっきり少なくなっていたため、除雪に対応する準備が弱くなってきている。古い話になるが、本県の山間地では、猛吹雪にさらされるのが異例ではなかった。
▼沢内や八幡平などでは、一晩に腰まで雪が降ることは珍しくなかった。それに比べると、人間がかなり弱くなっている。縄で長靴を縛り、スコップを持って、雪道を切り開きながら職場に向かうこともあった。マイカー利用が著しく多くなったが、自然は厳しいもので、冬の備えが甘くなっていることをわきまえなければならないだろう。

 2014年  2月  23日 ―サラリーマン川柳―
 NHKドラマ「あまちゃん」が流布させた方言を織り込み、「昇進をジェジェジェと祝う我が女房」と詠んだ作品もある
▼恒例の第一生命主催第27回「サラリーマン川柳」入選百句が発表され、そこから主催社の公式サイトなどを通じ秀作10句を選ぶ投票が始まっている(来月19日まで)。冒頭の句も入選作だ。夫の昇進に妻が驚きを意味する方言で祝う。そんなユーモラスな光景が浮かぶ
▼以下、幾つかを紹介する。「サラ川が始まり覚える流行語」と、率直な句もある。応募時期と重なる昨年の世相を反映した作品が多く勉強にもなるのだ。世間には民放ドラマで《やられたらやり返す。倍返しだ》と上司に言い放つ主人公にあやかりたい人もいる
▼だが「倍返し!言えずに今日もおもてなし」のように、上には反撃などできず従順にもてなしに終始するのが現実だろう。やがて定年退職。年金開始年齢まで同じ職場に再雇用もあるが悲哀も味わう。「再雇用鍛えた部下に鍛えられ」のように
▼「誤表示であってと願う年金額」との年金詠も切ない。額面の低さには多くが慌てる。一方、若手に加え中堅層からも「追いかける昔白球今薄給」と自嘲が漏れる。「入学金息子頼むぞ倍返し」の哀願も切実だ。この春に、大学などへ進む子を持つ親御さんも同様に叫びたいだろう。

 2014年  2月  22日 ―黒田官兵衛のかぶと一時帰参―
 戦国武将黒田官兵衛(1546―1604)の銀白檀塗合子形兜(ぎんびゃくだんぬりごうすなりかぶと)がきょう、あすと、もりおか歴史文化館に展示される。
▼この兜は、同館所有のものだが、NHK大河ドラマで人気上昇し、全国各地の博物館などでの巡回展示の予約で埋まっている。この2日間を見逃すと、しばらく本物を見ることができなくなるのではないか。本物の兜が出張中は複製が展示されることになる。
▼大河ドラマでは今、織田信長の最盛期に入っている。黒田官兵衛は姫路で生まれ、信長の最盛期に織田側につくべきか、毛利側につくべきか判断を迫られ、信長についていくことを決断し、それにより豊臣秀吉の側近として活躍する名軍師となっていく。秀吉の天下取りを支えたのち、黒田家は関ケ原の合戦では東軍に加わり、福岡藩の藩祖となった。
▼兜が盛岡に伝わった背景には栗山大膳が関わっている。官兵衛は生前、兜を家臣の栗山利安に与え、栗山家の家宝となった。しかし、黒田藩のお家騒動、黒田騒動が1632(寛永9)年、利安の子で家老だった栗山大膳と官兵衛の孫の藩主忠之とが対立した。
▼幕府の裁きによって、大膳は翌年、盛岡藩南部家へお預けとなった。兜は、このときに大膳が盛岡に持参し、後に子孫が藩に献上した。

 2014年  2月  21日 ―ソチ発勝負のドラマ―
 ソチ発のドラマが相次ぎ届く。41歳の葛西紀明選手は男子ラージヒル個人戦で銀メダルを獲得
▼この快挙に彼は言う。「金メダルじゃないと涙は出ない」と。それなのに後輩3人と挑んだ団体戦で銅メダルに決まった時には涙をあふれさせる。皆がつらい事情を背負って戦ったことを知っていたからだ
▼血管の難病が見付かった竹内択選手は薬で症状を抑えて出場。膝の激痛を伏せていた伊東大貴選手。清水礼留飛(れるひ)選手は今冬序盤のW杯不振という負い目を持つ。それらを理解して励まし続けたのが葛西だ。彼自身も人生苦を背負う
▼優しく応援してくれた母を火災がもとで亡くす。生前、母が案じていた闘病中の妹は自分が守ると決めている。「金メダルをすりおろして飲ませたら病気が治るかも」と語ったこともある。彼を支えてくれる父と姉もいる。葛西は独身だが先日、4年後には妻子と今の家族全員を連れて五輪に行き金メダルを取ると宣言している
▼ソチは終盤。ドラマが続く。女子大回転で竹内智香が待望の初銀メダルに輝く。フィギュア女子ショートは混戦。浅田真央の集大成の舞台は暗転。ミス連発で16位に。ロシアの新星15歳も転倒して5位。韓国のキム・ヨナが首位。本日未明のフリーで逆転劇はあるか
▼新聞が読者に届く頃には判明していよう。

 2014年  2月  20日 ―消費増税の防衛策と円安―
 ティッシュペーパー等の買いだめが始まっているという。たかがティッシュかと思うが、現実はそうではない。花粉症の季節を前にして毎日の消費量が多くなることと、毎日使用するものであることを考えれば消費税の値上がり前に買っておいた方が得する。
▼4月からの消費税率値上げを前にして、消費者はさまざまなことを考えているが、灯油などの値上がりも続いていて、ストックできない品物などの対策は立てようがない。さて、消費税率の値上げがわが国の経済にどのような影響を及ぼすのか。
▼経済取引の全体像を示す国際経常収支の黒字が2013年は、過去最小の約3・3兆円であったと報告された。海外投資から得られる利子や配当といったものが稼ぎ頭になっていて、黒字幅が拡大して16兆円を超えているものの、他方では貿易収支が約10・6兆円と過去最悪となって、貿易立国日本が曲がり角にある。
▼経常黒字は東日本大震災のあった2011年から3年連続で大幅に減少している。その主因は貿易赤字が拡大したことにあるが、その要因は、原発の停止に伴い火力発電の燃料となる原油や液化天然ガス(LNG)の輸入額が増えたことにある。屋台骨となっている製造業など輸出産業への影響は、円安だが輸出が増えにくい構造になっている。

 2014年  2月  19日 ―核兵器禁止促す国際会議―
 先週、メキシコで日本を含む146カ国の代表が参加し、第2回「核兵器の非人道性に関する国際会議」が催された
▼核禁止促進の会議だが証言の場では長崎の女子高生・小柳雅樹(まさき)さんが英語でスピーチ。被爆者の祖父母らから聞いた体験を通し、多くの命を奪い苦しめた原爆のむごさを指摘。「子どもの頃から教わってきた被爆の恐ろしさを語り継ぐ義務がある」と、継承と発信への決意を披歴した
▼戦後、米側は広島・長崎への原爆投下が戦争終結を早めたと釈明してきたが虚言というほかない。投下の残忍さを擁護する言葉などあり得ない。被爆者団体事務局の藤森俊希さんも証言の中で、「被爆者を苦しめ続ける兵器が非人道的でなくて何なのか」と訴えている
▼会議ではシリアの化学兵器廃絶を国連が主導した方式の応用論も出た。国際規範を定めて核を禁止する手法を各国代表が熱く議論したのだ。だが核禁止加速を促すとの議長総括で閉幕した会議には、米ロなど核兵器保有5大国が前回に次いで欠席。現実は画竜点睛を欠く
▼プラハで「核なき世界を目指す」と宣言したオバマ米大統領は何を迷っているのだろう。人類的課題に今こそ道を開くべきだ。4月に来日するがその際、広島の地で打開策表明をと願う。時間がないと隣国へ逃げられそうだが。

 2014年  2月  18日 ―新聞社の地域貢献―
 南国の宮崎市や鹿児島市ではプロ野球オープン戦が大きな観光資源になっているようだ。プロ野球の各球団が2月初めから沖縄や九州にキャンプ地を求めていることは例年のことだが、オープン戦の開催などを観光客の誘致に最大限生かしている。
▼大手の新聞社やスポーツ紙が宣伝に乗り出していることは事実だが、これによってオープン戦を観光化させ、また、地域振興と新聞購読者の増に結びつけているのが今年の特色。
▼本県でも、サッカーやバスケットボールなどのプロスポーツが誕生して冬の話題も多くなってきている。夏のゴルフ、冬のスキー、スケートなどの盛り上がりとともに何か話題を集める事業を興すことがないものかと考えている。
▼スポーツのほかには「婚活」や「就活」といったことが考えられる。東京新聞では2月が「就活」の最盛期と言って、大学3年生の就活に力を入れている。「婚活」の方は季節の山場というものは特に考えられないのだが、ホテルなどが比較的に空いている時期に婚活が盛り上がれば良いのではないか。
▼就活も、婚活についても、新聞社が何らかの方法でお手伝いできればと思案しているが、情報を発信して、きっかけづくりまでの橋渡しができたらよいものと考えている。新しい産業を興すことで地域貢献したい。

 2014年  2月  17日 ―羽生選手が金メダル―
 仙台出身で19歳の羽生結弦(ゆづる)選手が、ソチ冬季五輪で日本人初の金メダルに輝いた
▼06年の荒川静香さん以来8年ぶりの快挙である。羽生は日本時間14日未明の男子ショートプログラム(SP)で、4回転ジャンプも鮮やかに決め軽快に舞うような演技はほぼ完璧。101・45点を獲得する。100点超えは国際大会SP史上初で、自身が持つ世界歴代最高得点99・84を塗り替えた金字塔だ
▼ファンの多くは「あすは悠々と金だ」と叫んだことだろう。ところが翌15日の男子フリーの演技では、他国選手も同様だったが羽生も緊張。表情も硬い。そのせいか4回転ジャンプで転倒。3回転フリップでもバランスを崩し手をつく。ファンが悲鳴を上げる
▼だが前日に歴代最高得点に輝いた羽生は「ロミオとジュリエット」の曲調に乗り、次第にミスなど帳消しにするような難度の高い技を軽快に優雅に演じ観衆をとりこにする。このフリーは178・64点。SPと合わせ280・09点で首位を維持
▼金を狙うカナダのチャン選手も緊張でミスを連発し2位となり、羽生の金が確定する。被災地の人たちが感涙を光らせ喜ぶ光景をテレビが伝えていた。仙台の羽生宅も被災し短期間だが家族で避難所生活をしている
▼転倒にめげず勝利した姿は人々に共感を広げることだろう。

 2014年  2月  16日 ―県予算―
 県は2014年度予算案を12日に発表した。18日に開会する県議会2月定例会に提出される。東日本大震災津波から4年目を迎えることで、3年連続の1兆円超となる「1兆167億4964万円」とした。
▼第二期復興実施計画の初年度として、「安全の確保」「暮らしの再建」「なりわいの再生」の3原則に従い事業を進める。予算の力点を達増拓也知事は「本格復興推進予算」と表現している。
▼東日本大震災から3年間進めてきたがれき処理事業が一段落したことで、過去最高額の13年度予算を下回ったが、震災対応分「3813億円」を盛り込んで、大型予算となっている。
▼今年度は「本格復興へ歩みを進めるための予算措置」が目立っている。被災者の生活再建を加速させ、震災で傷んだ経済基盤の回復などに焦点が移りつつある。災害公営住宅の建設費に前年比39%増の1360億円が組まれている。そして、農漁業などの再生、加工から販売までの一貫性「6次産業化」の支援、自動車関連産業等中核産業の育成、昨年のテレビドラマ「あまちゃん」の効果継続と三陸ジオパークの推進など、観光産業の強化、ILC(国際リニアコライダー)の研究、いわて花巻空港機能向上、また、地域医療、教育施設、道路・河川の整備などに力点が置かれている。

 2014年  2月  15日 ―東京で被災博物館展―
 寒風吹く先日、江戸東京博物館で開催中の「平成の大津波被害と博物館」展を見学した。会場は人、人、人の列。各コーナーでは熱心にメモを取る人もいる。寒さの中を有料展示会に来館する人の多さ。そこに関心の高さを思い勇気づけられる
▼会場に入ると正面に丸時計が掲げられている。針は15時30分30秒あたりを指したまま動いていない。襲われた時刻だろう。「津波で止まった時計」(陸前高田市立博物館蔵)と標示がある。傍らには建物に乗り上げた車(山田町)や、レールが切断された北リアス線(田野畑村)などの写真が並ぶ
▼ただこの展示は被害の惨状を伝えるだけの企画ではない。県内被災地の博物館や図書館などでは所蔵資料が流出したり濁流を浴びたりしている。岩手県立博物館は県教委と連携し各機関や個人の支援も受け、被害資料の早期救出と恒久保存を主導
▼各資料の質を安定化させる根気の要る処理作業も進めている。各破損施設の機能再生にも尽力中だ。展示は県立博物館が昭和女子大学と協力し再生促進への思いと支援への感謝を込めて開催。発災以来の労作業記録とよみがえった文化財などを中心に紹介している
▼今回の展示はお気づきのように1年前に県立博物館で催した同名展示会の東京展である。3月23日までだが盛況が続くといい。

 2014年  2月  14日 ―住民自治日本一への歩み―
 125年の村の歴史に幕を閉じて1月1日に人口5万5千余りの滝沢市が誕生し、はや1カ月半ほどになった。複雑多様化している地方自治の中で人口増加傾向にある自治体が、住民自治日本一の市を目指して歩み出した。
▼今月1日には市制施行記念式典に併せてシンポジウムが開催された。パネルディスカッションの前に、基調講演としてスターバックス創業者の角田雄二氏が「挑戦・チャレンジ」として講演をされた。
▼その中で感銘を受けたのは、締めくくりとして「私たちは人のおなかを満たしているのではない。心を満たしているのだ」という言葉であった。人口日本一だった村が、今度は「住民自治日本一」を目指して歩み出したわけであるが、何となくコーヒーを嗜好する現代の中から目標とするヒントがつかめたように思われた。
▼しかし、そのためには単にコーヒーを飲めるとかコーヒー店があればよいというものではなくて、日本一の住民自治を目指して市民がチャレンジしなければならないと理解した。
▼財政が豊かであればよいが、そうではなくとも住民参加とさまざまな資源の掘り起こしによって名産品を日本一にするなどの要素はいっぱいある。中越地震で壊滅的被害を受けた山古志村の再建なども披歴されたが、滝沢市は大きな資源を抱えている。

 2014年  2月  13日 ―忘れないでと訴える被災遺族―
 3・11のあの日。片桐浩一さんは31歳の妻・理香子さんを失う。妻のおなかには出産が間近い赤ちゃんもいた
▼理香子さんは釜石の鵜住居幼稚園(園児60人)に勤務。発震時にいた園児は4人で2人は保護者に託す。同僚の疋田菜津子さん(26)らと残る2人を連れ隣の防災センターに避難。建物に津波が侵入し園児2人は住民が肩車で助ける
▼だがうねりにのまれた理香子さんは遺体で見付かり、菜津子さんは行方不明になる。片桐さんは妻が最後にいたセンターの部屋へ通い続ける。一方菜津子さんの父・信一さん、母・礼子さんも娘の姿を求めセンターへ日参する。父は手帳に生還を待つ心情を書き続ける
▼11日放映のNHK「最後の場所がなくなる時〜釜石の悲劇」は、昨年12月2日に解体が始まった防災センターをめぐる片桐さんら遺族の葛藤を伝えていた。疋田さん夫妻が片桐さんに初めて会った時の映像も胸を打つ。信一さんは感極まりおえつ。片桐さんも涙をあふれさせしばし互いに無言…
▼発震後間もなく3年。番組は風化に傾く人の心をよみがえらせる。解体開始前日、片桐さんは妻子最期の部屋の壁に書く。それは「忘れないでほしい。生きたかった命がここで絶たれたことを。家族を守れずくやしい思いの人間がいることを」など18行に及ぶ訴えである。

 2014年  2月  12日 ―大雪りばぁねっとの事件―
 北海道旭川市のNPO法人大雪りばぁねっと元代表理事の岡田栄悟容疑者ら5人の法人関係者を業務上横領の容疑で岩手県警と宮古警察署が4日逮捕した。警察で取り調べ、捜査が続けられている。
▼元代表理事ら5人は2012年10月上旬、共謀のうえ山田町の復興やまだ応援事業委託契約に基づく委託料前払金のうち3千万円を私的に流用した疑いがもたれている。旭川市の4人は縁戚関係にある。
▼同法人は東日本大震災津波後の11年3月下旬に山田町に入り、行方不明者の捜索や支援物資の分配などを担当した。それまで山田町との関わりは全くなかったが、2カ月後の5月には緊急雇用創出事業を町から事業委託されている。
▼無料入浴施設の運営や仮設住宅見回りなどの事業を展開し、従業員137人を地元で雇用していた。ところが、事業費を年度途中で使い切り、一昨年12月に資金が底を突いたことが発覚して問題になる。事業は途中で打ち切られ、全員が解雇され、法人は破産手続きに入った。
▼警察は山田町の告訴を受けて捜査し、3千万円については不法領得の意思があったとみて逮捕したが、余罪も視野に入れて追及しているのだろう。1年半もでたらめな運営を見抜けなかったわけだが、県や町の交渉経過や審査契約も検証されている。

 2014年  2月  11日 ―田中投手が新天地へ―
 東北楽天を日本一に導いた田中将大投手が、米ヤンキースへの移籍を発表したのは先月23日
▼新天地の春季キャンプ入りは今月15日と決められている。この短期間では妻・まいさんと共に引っ越し準備も大変だったろう。それに就労ビザ発給の手続きは時間が掛かる。渡米日程もなかなか決まらずやきもきしたことであろう。ファンもはらはらさせられた
▼それでもようやく今月4日に就労ビザを取得。田中投手一行は9日にチャーター機で成田を飛び立った。日本時間のあす未明にはニューヨークスタジアムで入団会見が予定されている。時差調整の暇もないような慌ただしさだが田中投手はまだ若い
▼8日に仙台を去る時にはここ数年で一番いい体調でキャンプに臨めると語っている。細やかに気配りする愛妻もいる。まい夫人は移籍が決まった時、ブログに生活感のある言葉で喜びを書いている。「無事就職先が決まって本当に良かった」と
▼さらに挫折や困難も待っていると思うと前置きし、「それ以上に強くなり成長したい。乗り越えた先の景色を見たい」とも書いている。この熱い言葉は夫妻共有の決意だろう。迎える球団首脳は「重圧の中で自分を高めたい」という田中投手の姿勢に感銘。チームの柱になると期待しているという
▼マウンドに立つ日が待ち遠しい。

 2014年  2月  10日 ―北方領土とソチ五輪―
 7日は「北方領土の日」であった。この日、ロシア南部の都市、ソチで冬のスポーツの祭典「第22回冬季五輪」が開会した。日本時間では8日早朝。大会には2010年のバンクーバー五輪よりも5カ国上回る87カ国・地域が参加し、7競技、98種目が行われる。日本からは長野五輪の166人に次ぐ113人、男子48人、女子65人が出場する。
▼ソチ五輪では自国開催だった1998年長野五輪で獲得した過去最多のメダル10個「金5、銀1、銅4」を超えることができるのか、その活躍が期待されている。大会は開会式の前日、6日から既に競技が始まっていて、24日の閉会式まで19日間の長期になる。日本とは約5時間の時差があり、試合が行われるのは深夜や早朝の時間帯が多くなるのでテレビで観戦すれば睡眠不足になりそうだ。
▼さてソチとはどこにあるのか。世界地図を開いて調べてみるのもオリンピックの収穫であろう。広い大国、ロシアの首都、モスクワで乗り換えして、飛行機で2時間程度かかるという。黒海に面して、すぐ隣にウクライナ、グルジア、アルメニア、トルコ、アゼルバイジャンなどがある。モスクワもソチもヨーロッパに近く、アジアからは遠い。あまり聞くことのない国名もある。やはり北方領土は日本圏に属している。なじみ深い。

 2014年  2月  9日 ―なりすまし作曲家―
 「なりすまし」は、「おれおれ詐欺」の言い替え言葉でもある。ところが脚光を浴びてきたあの聴覚喪失の作曲家も、「なりすまし」だったのだから言葉を失う
▼佐村河内守(さむらごうち・まもる)という名前のこの人。実際は譜面も書けない素人なのに、両耳が聞こえない作曲家になりすましていたのだ。今年50歳。広島出身。被爆二世で代表作「交響曲第1番HIROSIMA」や東北被災地への鎮魂曲など20曲を自分の名前で発表
▼これらは全て音楽家の大学講師が委託され、18年間にわたり陰で作曲したものだ。当人は「こんな曲を」と案を提示しただけ。一方、聴覚障害の天才作曲家との偽装PRは情を誘い、CDなどを買い求めるファンは全国に広がる。テレビは称賛番組を組む
▼大学講師は責任を感じ関係解消を何度も持ち掛けたが印税独占欲なのか承諾せず、やむなく6日発売の週刊誌に告白。同日は会見にも臨み事実を公表。「私も共犯者です」と謝罪した。佐村河内氏側も偽装を認め弁護士が関係筋に代理作曲を伝えた
▼これを機に予定演奏会の中止。CD発売やネット配信の停止など騒然とする。広島市も授与した「広島市民賞」を取り消す。虚像を見抜けずにだまされた情にもろい人たちは、振り込め詐欺被害者と変わらない。当方もその一人である。

 2014年  2月  8日 ―三陸沿岸の「はる一番」―
 三陸沿岸で「春いちばん」と言われているのが早採りワカメである。春の訪れを前にして、三陸沿岸に「ドカ雪」が降ることを「春いちばん」と言っていたように記憶していた。内陸では寒気の厳しい真冬だが沿岸では思わぬ大雪が降ったりする。それが春を呼ぶ雪なのだが、せっかく4、5年前に植樹した杉などの苗が折れて被害甚大となる。
▼春いちばんは、3、4月に始まるワカメの本取りを前に、成長を促すために間引きをするものである。ロープに絡まったワカメをほぐして上の方の軟らかい新芽をちぎって採る。
▼その「春いちばん」がおいしいのだ。なんと言っても、湯通ししただけで ポン酢やショウガじょうゆで食べられるから、料理の手間がかからず手軽で良い。新鮮で磯の香りがすがすがしく、おいしくて健康にも良いからたまらない。
▼早採りワカメは1月から2月下旬まで採れるのだが、今が旬だろう。内陸でも雪の下に育つ野菜や土室の中に保存していた野菜を掘り起こすと格別な味がする。
▼画家の八重樫光行さんの言によると、河原に生えている菜っ葉やノビルなどがおいしい季節だという。それらも「春いちばん」と言えるのではないか。タラの芽やフキノトウはまだ早いが、雪を少しかき分ければ天然の春いちばんが芽を出している。

 2014年  2月  7日 ―被災地の火事場泥棒―
 火災現場のどさくさに紛れ、金品を盗み出す人がいる。これを火事場泥棒という。辞典では「混乱に乗じて不正な利益を上げる者」もこの泥棒仲間に加えている
▼山田町に復興支援名目で北海道旭川から乗り込んだNPO法人もうさんくさい。町が委託した緊急雇用創出事業費のうち6億7千万円もの不適切支出が発覚。4日には業務上横領容疑で法人元代表理事とその親族4人が逮捕されている
▼同法人は発震直後に町に入り、救援物資分別配布や行方不明者捜索などを行う。全国から次々と駆け付けたボランティアの労作業に温かい善意を感じた町民や役場関係者は、旭川の法人にも同様の熱意を感じ信頼したのだろう
▼町は当地活動歴わずか2カ月の段階で同法人に11年度雇用創出事業を委託。12年度には7億9千万円の事業費で委託を継続。法人は140人近い従業員を雇い無料浴場運営などを展開。だが事業はどれも放漫経営。従業員に給料を払えなくなったのを機に使途不明金などが露見
▼法人は金遣いの荒さからもいかさまぶりが分かる。災害対応司令室の壁に付けた4台の大型液晶テレビや、高級ブランドの制服なども復興無縁というほかない。事業費3千万円を親族経営の会社に振り込み横領したことも判明している
▼津波被災地の火事場泥棒とはたちが悪い。

 2014年  2月  6日 ―四方に富もあれば鬼も潜む―
 4日の立春を過ぎ、暦の上では春となった。しかし、盛岡、岩手はまだまだ本格的な冬である。前日の節分には櫻山神社と自分の家で豆まきをした。
▼「鬼は外」「福は内」と唱えながら豆をまいた。鬼は外で、福は内なのか、どちらが先なのか迷ったが、室町時代からの慣わしとされている「唱鬼外福内四字」によれば「鬼」が先と言われている。しかし、鬼には出会ったことがないので、鬼はどこにいるのか、いや、悪鬼などいないのでは、と思っているが、それでも「鬼は内」などとは叫ぶことがない。
▼古老の話によると、鬼は大荷(おーに)であって、大荷を背負うことがないようにとか、逆に大荷の富が入ってくるようにと、さまざまな唱え方をして春に立ち向かう気持ち、さまざまな難関にも元気で挑戦する心構えがあってほしいと願った。
▼東日本大震災津波から間もなく2年11カ月。より寒さのしみる仮設住宅で、今冬も過ごさなければならない人が大勢いる。
▼あの1000年に一度と言われるような大地震津波こそが「鬼」であったのではないか。人間は山や海の恩恵を受けながら生活しているが、時には大自然が鬼にも化けるようなことがあり得る。東西南北、四方に富があれば危険な鬼がどこかに潜んでいる。備えの訓練や心持ちは欠かせない。

 2014年  2月  5日 ―行方不明女児無事に保護―
 「札幌の行方不明9歳女児保護、監禁容疑で男を逮捕」
▼この速報に列島中から「よかったね」との声が上がったことだろう。凶悪事件が多いから全国の子を持つ親御さんにとっても人ごとではない。最悪を打ち消し「無事に見付かるといいね」と願望を込め語り合ったお宅もあろう
▼女児のご両親の苦悩は想像を絶する。女児自身も怖さ心細さで前後不覚に陥っていたかもしれない。彼女は先月27日、ノートを買いに行くと出掛けたまま行方不明となる。警察は29日に女児の氏名、写真、特徴を公開
▼地域住民から「似た子がノートを買っていた」「自宅付近で若い男と一緒にいた」など目撃情報が寄せられる。決め手となったのは地元のタクシー運転手が2日昼に寄せた「少女漫画を持った不審な男がいる」との通報だ。そこで語られた人相と防犯カメラ映像を照合。容疑者を絞り込む
▼同日夜、捜査員は女児宅近くの男の家で女児を発見。彼女はわっと泣いたという。26歳無職の男はその場で逮捕。27日に男は女児を待ち構え「ちょっと来て」と誘って自宅に連れ込み、最初だけ女児を後ろ手に縛り両目を粘着テープで覆ったという
▼保護された彼女は無事帰宅できたが、この事件は家庭と学校の警戒意識に加え、地域の目が児童らを守る決め手になることを示唆している。

 2014年  2月  4日 ―旧暦行事と農業―
 きょうは立春。きのうは節分で盛岡市内などでも豆まきが行われた。
▼今でも地方によっては旧暦の行事が継承されているが、明治、大正生まれには、そういった行事や祭礼が手帳に記さなくとも頭の中で記憶されていた。母から聞いてメモしていたものだが、まずは、旧暦1月20日が「農は立て」と言った。別名では「わっぱかぶち」と言った。暗いうちに起床して、石臼を裏返しにして棒でわら打ちして縄をない、ぞうり、わらじ、はばき、けらなどを作った。むしろ、かます、こも、すみすごなどのわら細工をしたものである。
▼「わっぱか」とは目標のことで、納屋で作業し、わっぱかを達成した人から台所で餅をごちそうになった。「農は立て」は、わらのほか、豆、ゴマ、麻、麦など作物の殻を雪の上に立てた。豊作を祈る行事だろう。
▼2月1日は「こえだし」と言って、馬小屋からこえ出し作業を始める日である。わら細工で出たわらくずを燃やして餅を焼いて食べた。これでお正月の終わりとした。旧暦2月8日はカラス団子という日で、早朝、桃の枝に小豆やしょうゆ団子を付けて家の門口の木に結わえておく。カラスはうまい団子のみ食べていく。通行人が食べるのだが、無病息災を祈り、病魔を追い払う行事で、こういった行事は戦後まで続いていた。

 2014年  2月  3日 ―カエルの輪唱に法則性―
 輪唱は合唱の一種で同じ旋律を複数部門が、間隔をおき追い駆けるように歌う
▼ドイツ民謡に由来する「かえるのがっしょう」(岡本敏明作詞)は、お子さんにも中高年世代にも親しまれる国民的童謡だが、よく輪唱のテキストにもなる。立春の前日に季節外れで恐縮だが、田んぼから本物の合唱が聞こえてくる頃にはついこの歌を口ずさんでしまう
▼「かえるのうたが きこえてくるよ クワクワクワクワ ケケケケ ケケケケ〜クワクワクワ」と。田んぼで歌うカエルたちの合唱も申し合わせでもしているかのように輪唱のように聞こえる。うるさいなと思うこともあるが神秘さに感じ入ることもある
▼理化学研究所と京大、東大の共同研究チームが、カエルの輪唱風鳴き方を科学的に解明。そこに法則性があることを突き止め先ごろ英国の専門誌に発表した。チームは半径30a以内のカエルが鳴くと光が点滅する装置を開発。これを各地の田のあぜ道に間隔をあけて50個前後並べ観測した
▼その結果、カエルの雄は0・5〜2b間隔で並び、1匹おきの2グループに分かれて鳴くことが判明する。一方が一斉に「ゲ」と鳴くと次に隣のグループも「ゲ」と鳴く。これを交互に繰り返していたという
▼カエルの歌は求愛や縄張りの誇示らしいがそこにも法則があったのである。

 2014年  2月  2日 ―SL復活に思う―
 近年、「SL人気」が急上昇していることを考えると、その魅力の高まりの原因は何なのかと40年以上も前のことを振り返っている。そうであれば、SLを廃車にしないでもっと保存しておけば良かった。動力の近代化で、勢い電気機関車やディーゼルに切り替えられてしまった。
▼電車や気動車が鼻高で登場するとき、SLは次々に引退せざるを得なかった。スピードやけん引力、経済性などを考えれば、近代化を進めることは時代のすう勢であった。やはり「効率性」だけではないことを知った。
▼高速道路が全国の津々浦々まで走り、自動車が幅を利かせ、鉄道は新幹線が花形になった。時代の急激な変化によって、SLは公園の片隅に運ばれて保存されれば良い方であった。多くのSLが鉄くずとなった。
▼急な坂を駆け上がる写真で見られるSLの景色は、醍醐味(だいごみ)があって素晴らしい。あの「汽笛」や「動輪」の音なども、生き物のように感じられて何とも言えないような愛着と哀愁があった。
▼しかし、SLの作業は、高温のもとでの機関車の整備、石炭を燃やして急勾配の山を登り切る技術は大変な重労働であり、きつい作業でもあった。蒸気機関車の整備や操縦に携わられた人たちは若い人でも70歳前後、どのような心境でいるのだろうか。

 2014年  2月  1日 ―ソチ五輪の開幕迫る―
 厳寒の中で月が改まり、間もなく14年冬季オリンピックがロシア南部のソチで開幕する
▼現地と日本との時差は5時間。大会組織委員会は照明効果で雰囲気を盛り上げ観客に楽しんでもらおうと、多くの競技を夜間開催に組み込んだ。フィギュアスケートなど室内氷上競技だけでなく、雪上競技もナイターを多くしたという
▼7日の開会式も夜間に行われ日本時間では8日午前1時〜4時になる予定。17日間に及ぶ全日程も含め寝不足で体調を崩さないよう、テレビ中継観戦の仕方は工夫したい。さて、スポーツ紙などでは日本のメダル獲得数皮算用がにぎやかだが、どんな展開になるか
▼表彰台中央に立つ金メダリストが登場するかどうか。98年の長野大会で日本は10個のメダルを獲得。その内5個が金という快挙を見せたが以後は振るわず、06年トリノ大会で荒川静香さんがイナバウアーを優美に舞い金を射止めただけである
▼今回は高橋・羽生、浅田・鈴木らの布陣で臨む男女フィギュアをはじめ、各競技で有望な選手がそろい王座に挑む。ソチで加わる新種目の女子スキージャンプでは、W杯日本最多の17勝保持者で17歳の高梨沙羅選手も金をうかがう
▼本県からは二戸市出身の苫米地美智子(女子カーリング)、八幡平市出身の永井秀昭(複合)の両選手が初出場する。



2014年 1月の天窓へ